第72集(2002年版)
特集 労働時間法制の改編と運用の実態
はじめに-労働時間問題の今日的意味
第一章 八〇年代以降の労働時間法制の変容-労働時間短縮から弾力化へ
一 従来の労働時間法制の特徴-労働時間の一律的総量規制
二 働き方の多様化と労働時間の弾力化・時間主権の拡大
三 労働時間規制方法の新展開-労使自治による法の具体化
四 公務員の労働時間法制の動向
第二章 労働時間の概況と時間短縮の成果-時間短縮はなにをもたらしたか
一 労働時間の短縮状況と統計数値の検証
1 「政策目標一八〇〇時間」のハードルの高さ
2 さらに遠のく一八〇〇時間-「毎勤調査」の落とし穴
3 「毎勤調査」と「労働力調査」にみる数値の格差
第三章 労働基準法改正による時間短縮の効果
一 着実に進む所定労働時間の短縮と週休二日制の若干の停滞
二 労働時間短縮計画と時短促進法の繰り延べ
三 時間短縮手段としての弾力的措置の効果
第四章 時間外労働の実情とその規制の対策
一 時間外労働の実情と法的規制の意味
二 時間外労働の法的規制とその限界
三 サービス残業と労働時間の把握に関する新通達
第五章 労働時間の弾力化の進展
一 変形労働時間制・フレックスタイム制の実施状況
二 変形労働時間制の運用状況と時間外労働
三 フレックスタイム制の実態と問題点
第六章 労働時間のみなし制・裁量労働制
一 労働時間のみなし制・裁量労働制の意義とその実情
二 事業場外労働のみなし時間制
三 裁量労働制の採用状況と問題点
1 裁量労働制の実施状況と労働者の評価
2 専門業務型裁量労働制の問題点
3 企画業務型裁量労働制を実施する上での障害
第七章 年次有給休暇と生活のゆとり
一 年休取得日数・取得率の長期低迷状態
二 年休の消化促進を妨げる要因
三 年休取得率の向上は実現できるのか-計画年休制度の効果
第八章 労働組合の労働時間に関する取り組みとワークシェアリングをめぐる政労使交渉
一 労働組合の労働時間短縮への取り組み
二 ワークシェアリングをめぐる政労使交渉と単産・単組の動き
1 ワークシェアリングをめぐる政労使の合意
2 単産・単組レベルでの事例
3 ワークシェアリングに対する労使の評価
終章 日本型雇用社会の行方と労働時間法制の課題