夫婦別姓問題［文］１９９３．１１．１９

   民法は，夫婦は〈夫または妻の氏を称する〉と定めているが，実際には夫婦の９８．６％が夫の氏を称している．改姓により社会的不利益を招く例もあり，女性の社会的進出を背景に別姓を希望する夫婦は年々増えている．８８年１１月２８日，関口礼子図書館情報大学教授は，東京地裁に旧姓の使用を求めて訴訟をおこしたが，この日の判決で原告の訴えは棄却された．なお，法制審議会民法部会身分法小委員会は，９４年７月１３日に，選択的夫婦別姓制度の導入を柱とする〈婚姻制度等に関する民法改正要綱試案〉を報告して了承されており，近い将来，夫婦別姓が導入される可能性は高い．〔参〕東京弁護士会女性の権利に関する委員会編《これからの選択夫婦別姓》１９９０．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。