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食糧問題深刻化[文]1946.5.14

食糧問題深刻化[文]1946.5.14

   敗戦前からつづいていた食糧悪化は,敗戦によりさらに危機的状況となった.旧領土・勢力圏の喪失,戦争による直接被害(硫安生産半減等),1945年夏・秋作の30年来の不作等に加え,引揚者の受入れ,未曾有の人口増等により’46年米穀年度の需給状況は極めて悪化した.食糧供出は2月末現在で目標の60%に過ぎず,2月27日には食糧緊急措置令を公布して強権発動に踏み切ったが,ストックは底をつき,遅・欠配は1月の北海道に始まり,4月には京浜・山梨・青森等まで配給継続不能,5~6月に食糧危機は頂点に達し,政府は食糧非常時宣言をおこなうに至った.配給内容も代替物が多く,暴騰するヤミ食糧の購入も限界に達し,飢餓においこまれた都市生活者の隠匿物資摘発,配給所への要求運動が頻繁になり,ついに5月19日の食糧メーデーにふき上がった.この危機は,6月からの占領軍による緊急輸入食糧によってかろうじて回避された.〔参〕農林省《食糧管理史1~5》1956,1958.《東京都食糧営団史》1950.




大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』(労働旬報社、1995年)に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。

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