政治犯釈放［政］１９４５．１０．１０

   １９４５年１０月４日付のＧＨＱの民権自由制限撤廃の覚書にもとづいて行われた政治犯の釈放．同覚書のＣ項は，（１）治安維持法など撤廃を命ぜられた法令によるもの，（２）何の罪名もないもの，（３）実際は思想犯なのに他の罪名を理由とされているもの，などの拘留，投獄者のすべてを１０月１０日までに釈放することを命じていた．司法省は１０月５日全国検事局，刑務所に即時釈放を通牒した．該当者は受刑中の者約１５０人，裁判中の者約４０人，その他取調中の者や予防拘禁中の者もあり，さらに保護観察中の者２千数百人など約３千人に達していた．１０月１０日に予防拘禁所から釈放された共産党員の徳田球一，志賀義雄は同日〈人民に訴ふ〉という声明を発表し，ただちに政治活動を開始した．〔参〕竹前栄治《占領戦後史》１９８０．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。