大日本労働至誠会［労］１９０２．５．１２

   夕張炭鉱の鉱夫南助松・永岡鶴蔵らによって組織された労働団体．当初は，（１）労働者の品位を高め（２）独立自営の精神を養い（３）勤倹貯蓄し（４）会員相互に親睦するとの４箇条の〈憲法〉を掲げた修養団体的性格のものであった．しかし，１９０３年片山潜が発行していた《社会主義》を通じて中央の労働運動とつながり，同年１１月北海道遊説中の片山と接して，労働組合的性格を強めた．同年暮，永岡は全国の鉱山労働者組織のため夕張を離れて足尾銅山に行き，’０６年には南も足尾に移り協力して至誠会足尾支部を組織し，活発な運動を展開した．〔参〕中富兵衛《永岡鶴蔵伝》１９７７．⇒１９０６［労］１２．５．

大原クロニカは、法政大学大原社会問題研究所編『新版社会・労働運動大年表』（労働旬報社、1995年）に基づいたウェブ歴史事典です。日本の社会運動・労働運動を中心に解説しています。