VI 戦後の原資料 1.社会・労働運動関係原資料
(4) 農民組合関係資料
戦後の資料は地下書庫に6段7連あり,日本農民組合資料および日本農民組合各派の資料が3連,全日農資料が4連ある。日本農民組合資料および日本農民組合各派の資料は,大会資料,組合員名簿,中央委員会記録,会計資料,地方資料から構成されている。これらの資料から,戦後初期の日農本部の動静を把握することが可能である。「本部日誌」には1947~1949年の日誌が,「本部旬報・地方組織」には1947年7月から同年11月の本部旬報および新潟,静岡,三重,大阪での地方組織結成準備関連資料や大会資料が収められている。「本部旬報・通達」には,1946年以来の本部通達が収録されている。さらに,「本部出納帳」は1947~1949年の数値を示し,「会計」(2ファイル)は1947年,1948年の資料を収めている。また,次の都県については,1947年と1948年の「組合員名簿」がある。すなわち,福島県(7ファイル),東京都(1ファイル),長野県(3ファイル),山梨県(1ファイル),大分県(2ファイル)。これは,当時の組織実態を知る上で不可欠の資料である。また,「本部日誌その他・地方連合会1947年」には,地方組織の役員氏名や「日農主体性確立同盟連絡名簿(1948年)」が含まれている。全日農資料は,本部や地方組織の実態を示す資料とともに,「農民戦線統一資料」(10ファイル),原水禁運動関係資料(1段)等が収められている。
また,社会党と農民組合との関わりを解明する上で,以下のものは看過しえないものである。 1947~1962年の資料を収録した「選挙闘争」(16ファイル),1961~1963年の記録を収録した「政党・議員団」(11ファイル)および福島県での八百板正の選挙についての資料を収めた「28回総選挙闘争資料」(6ファイル)等が,それである。
さらに,戦後農民運動を支えた指導者群像を知る上で欠くことのできないものとして,戦後農民運動10周年記念祭に関する資料(4ファイル)がある。ここには,各自の経歴を記した功労者名簿や各派の農民運動指導者の運動認識を示している功労物故慰霊祭大会での挨拶の速記録等が収められている。
(横関 至)
『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より
更新日:2014年12月22日