VI 戦後の原資料 1.社会・労働運動関係原資料
(2) 労働組合組織・大会関係資料
戦後労働組合組織・大会関係資料は,主として『日本労働年鑑』の執筆,編纂に必要なものとして収集しはじめた。その後,収集範囲が広がり,ナショナル・センターや単産の大会資料だけでなく,若干の争議関係資料や各種集会関係の資料など多岐にわたるようになった。それらはファイル化され,閲覧可能となっている。
a ナショナル・センター関係資料 総評については1950年の結成からの大会,幹事会,評議員会,単産・県評代表者会議,民間単産会議等の機関資料がほぼ完備している。個別闘争関係の資料にはつぎのものがある。平和経済国民会議(1953,54年),各年春闘,警職法改悪反対闘争(1958年),中小争議団関係(1959年),反安保闘争(1960年),三池争議(1960年),各年のメーデー,長期路線委員会(1966年),反公害闘争(1970年),最賃闘争,生活と権利を守る討論集会,国民の足を守る国民会議(1970年),高齢者大会(1970年~),時短闘争(1972年~),反合・雇用・失対ニュース(1975年~),国政選挙,地域労働運動を強めるための全国集会,各年権利集会,内職・パート大会,各年弁護団集会,その他である。
総同盟,全労,同盟については各結成大会からの大会,中央評議会,執行評議会関係資料および次の個別闘争関係の資料が所蔵されている。産業政策委員会(1967年~),全国賃金討論(1968年),金融産業政策委員会(1969年),税制対策委員会(1969年),「経済開発と労働組合」シンポジウム(1970年),全国最賃対策会議(1970年),資源エネルギー.対策委員会(1974,75年),多国籍企業対策委員会(1973,75年),経営参加対策委員会(1974,75年),生活ビジョン小委員会(1974,75年),社会経済国民会議(1976年),全国婦人の集い(各年)などである。ナショナル・センター再編により,1989年11月に連合(日本労働組合総連合会),全労連(全国労働組合総連合),同年12月に全労協(全国労働組合連絡協議会)が結成された。連合については結成以降の定期大会,中央委員会資料,春闘関係報告書がある。全労連は結成以降の定期大会,臨時大会,評議員会の資料がある。全労協は1990年以降の定期全国大会,全国幹事会の資料がある。労働運動研究センター,政策推進労組会議などの大会・総会関係資料をそろえている。
s 主要単産関係資料 炭労については結成大会(1950年)からの大会資料および三池争議,三池CO中毒闘争,石炭政策転換闘争,労働プラン,鉱害関係資料がある。全炭鉱,全鉱,非鉄金属労連などについては各結成大会からの大会資料が整備されている。IMF ・ JC は総会・協議委員会の資料が,鉄鋼労連は大会・中央委員会・春闘総括中央討論集会資料および日鋼室蘭争議資料(1954年)がある。全国金属は大会・中央委員会資料およびプリンス自工争議(1966~68年),日本バルブ争議(1956~58年)資料が,全金同盟は大会資料と富士自動車争議(1955~60年)資料がある。全自では日産・プリンス合併関連資料が所蔵されている。全日自労は大会・諸闘争資料の他に本部日誌と全国各県支部資料がほぼ完全なかたちで保存されている。日教組は大会・中央委員会資料の他に勤務評定反対闘争(1957年)などの資料がそろっている。
また国労は大会,中央委員会,拡大中央委員会資料,各種闘争の「指示・指令綴」,共済関係資料および「国民の足を守る中央会議」資料が完備している(なお,国労については本部旧蔵資料の寄贈を受けている。詳しくは「労働組合旧蔵資料」の項を参照)。全逓は大会,中央委員会資料のほかに制度政策研究全国集会資料がある。自治労は大会・中央委員会資料と地方自治研究全国集会資料がそろっている。ゼンセン同盟は大会・中央委員会資料と近江絹糸争議(1955年)資料がある。
d その他 電機労連,造船重機労連,全造船,私鉄,動労,鉄労,全港湾,土建総連,全建連,合化労連,紙パ,全駐労,全国一般,一般同盟,全銀総連,公務員共闘,全官公などの他ほぼ全単産の大会・中央委員会等の資料が収集されている。なお,地域組織では全国を網羅していないし,また結成当初からの資料が完備していないが,東京地評,大阪総評,全道労協,福岡県評,愛知県評,その他の主だった総評地方組織および総同盟東京,総同盟大阪など,同盟の地方組織関係資料,および連合大阪,大阪労連など連合や全労連の地方組織関係資料がある。
(平井陽一・小関隆志)
『大原社会問題研究所雑誌』No.494・495(2000年1・2月)、創立80周年記念号より
更新日:2014年12月22日